会長挨拶

日本写真測量学会は1962年に、「写真測量」を主たる研究対象として産官学の有志により設立された学会です。
本学会は「写真測量」を「センシング技術で実空間を捉え、情報処理を行い、成果を提供する」という大きな枠組みで捉え、発展を続けてきました。初期の研究対象であった空中写真判読の延長線上に「リモートセンシング」が生まれました。「測量」という概念も、技術の発展や利用分野の拡大に合わせて空間情報工学へと展開しています。学会誌名も1975年に「写真測量」から「写真測量とリモートセンシング」へと変更し、今日に至ります。
写真測量による地図作成の技術的発展は、戦後復興を力強く支えました。その後、情報処理・電子通信・宇宙工学などの進展を背景に、リアルタイム計測・自動計測・3次元モデリングなどの技術が実現し、利活用分野は飛躍的に拡大しました。学会が取り扱う空間情報技術は、土木・地質・環境・河川・海洋・農業・林業・防災・行政など、社会基盤や地球環境にかかわる多様な分野を横断的に支える基盤技術として位置づけられます。ロボット工学に端を発するコンピュータビジョンや精密工学・工業計測とも近接し、AI技術の進展も相まって日々高度化しています。
現在、約1,100名の学会員が所属し、活発に研究活動を行っています。年6回刊行の学会誌は2026年3月より全面電子化され、過去の記事も含めてJ-STAGEでオンライン公開されています。学会員・非学会員を問わず、ぜひご活用ください。春と秋には年2回の学術講演会を開催し、技術交流会も含めて対面での交流の場を提供しています。さらに、北海道・北信越・関西の3支部が、地域の皆さまに向けた多様な企画やサービスを展開しています。
国際面でも、設立当初から積極的に活動してきました。国際写真測量・リモートセンシング学会(ISPRS)およびアジアリモートセンシング協会(AARS)の日本代表組織としての役割を担い、国際学会の開催や分科会活動を牽引する研究者も少なくありません。
日本写真測量学会は、これからも利用分野を問わず、空間情報に関する産官学にわたる技術交流の場を提供し続けてまいります。学会員の皆さまには、引き続き積極的な学会活動へのご参加をお願い申し上げます。また当学会にご関心のある皆様のご入会を心よりお待ちいたしております。
会長 織田和夫







